■足部の傷害
・アキレス腱炎の原因としては、足の回内傾向、O脚、ハムストリングスや下腿の筋群が硬い、などがあげられる。
・アキレス腱炎とアキレス腱付着部炎は同じメカニズムで発生する、似た傷害である。
・中足骨の疲労骨折は、足の甲に痛みが生じ、腫れを伴う場合がある。
根本的な原因は走り過ぎである。
その他に、、、
①着地衝撃が適切に緩衝されない
②下腿の筋力不足
③不適切なフォーム
④不適切なシューズ
・足底筋膜炎は足底筋膜の繰り返し負荷で発生するほか、不適切なシューズによってもおこる。
・足関節捻挫は、ジョギングよりスポーツでの発生率が高く、横方向に素早く移動したり、方向転換したりすることが多い種目で発生しやすい。
■エアロビックダンス
・クーパーのエアロビクス理論をダンス運動に適用したものである。
・さまざまな上肢と下肢の運動の組み合わせによって多様性(バリエーション)がある。指導者は、参加者の性、年齢、身体特性、体力、技術、目的などに応じて動きや音楽を選び、コリオグラフィー(振付)を作成する。
・広範囲な年齢層にわたって男女一緒に運動を楽しめ、安全性と効果を優先したプログラムである。
・運動強度が目標に達していなければ、上肢よりも下肢の動きを大きくさせ優先させ、歩幅を広げたり、動きのテンポを速めたりする。また、強度が高すぎたときには上肢の動きをなくすなどして使う筋量を減らす。下肢はいきなり止めてはならない。(脳貧血や心筋梗塞を起こす恐れがあるため)
・その場でかけ足をしたらステップを踏んだりつま先着地が多いので、前足部にも衝撃吸収するためのクッションがあるものよい。なお、傷害が足部の場合(例:中足骨の疲労骨折)、前足部のソールが厚いものだと屈曲の邪魔をすることもある。
・下肢に傷害の経験がある人は、左右方向の安定性に優れているシューズを選ぶほうがよいこともある。
・近年エアロビックダンスは40分程度の短いプログラムが増えている。
○ウォームアップ
・運動プログラムの基本は、ウォームアップ、エアロビックダンス、クールダウンから構成され、40~60分程度の運動時間である。近年は筋っコンディショニングを行わない30~45分の比較的短時間のプログラムが多い。
・ウォームアップは心とからだの準備を行う段階である。目的は、筋温や体温、心拍数を徐々にあげ、のちに続く主運動での酸素摂取効率を高めることである。
・運動プログラムにおいて、参加者の意見を尊重しすぎると、慣れた人が多い場合は、強度がどんどん高くなってしまい、難しいステップばかりになっていまう危険性がある。参加者に選択しを与えるなどし、柔軟なプログラムづくりを心がける必要がある。
○主運動
①運動の強度を徐々に上げ、呼吸循環器系の働きを高めるアップ
②前後左右への移動やホップ、ジャンプなどを行って、目標心拍数を維持するキープ
③心拍数を徐々に下げ、クールダウンへの移行をスムーズにするダウン
・有酸素運動能力の向上が目的であり、一定の時間、目標の心拍数を維持するような運動が継続される必要がある。目標強度を20~60分間維持することだが、一般的には20~30分/時間になる。
・徐々に運動の強度を上げる。全体としてはベルカープの強度変化を心がける。
○クールダウン
・リラクセーションでは、関節をほぐす運動やセルフマッサージを行うことも効果的である。
■エアロビックダンスに伴う障害
・慢性的傷害が多く、疲労骨折はとくに脛骨、腓骨、中足骨に多くみられる。
・膝蓋軟骨軟化症は、足先と膝の向けをそろえるよう心がけること、膝を角に伸展させたり屈曲させたりしないこと。また、大腿四頭筋の筋力強化が有効である。
・シンスプリントはむこうずね(前脛骨筋)の痛みの総称で、予防には、下腿の筋力を強化する、固い床や不安定なシューズを避ける、ハイインパクトなエクササイズを減らすなどがある。